後宮の烏3(白川紺子) あらすじと感想

後宮の烏3 あらすじ

後宮の奥にひっそりとある夜明宮。そこには、帝が渡ることのない妃・烏妃が住んでいる。

決して人を寄せつけてはならない、1人で生きねばならぬという先代烏妃の言いつけに背き、周囲に人が増えていくことに戸惑う寿雪。

消えた梟、冬官と烏漣娘娘の関係、烏の使い部…

少しずつ、自分の知らなかった謎が明かされ、さらなる謎が深まる中で寿雪は自分が何者なのか見失い、その虚しさに耐え難くなっていた。

それでも夜明宮へ頼み事を持ち込む訪問者は、たえまない。

やがてとある依頼から、八角宮の妃嬪である晩霞の生家、賀州の沙那賣(さなめ)家と、賀州で広まっているという八真教の存在へとつながっていく。

八真教とはなんなのか、「梟」の思惑・・・謎は明かされつつもなお深まっていく。

中華風ファンタジー、後宮の烏シリーズ第3巻。

後宮の烏3 感想

※第1巻、2巻のネタバレを含みますのでご注意ください。

まず…ついに登場人物紹介と各種地図がつきました!素晴らしいことです。

基本的に後宮の中だけの話とはいえ、巻を追うごとに登場人物が増えてきて誰が誰やら…分かりにくくなってきたところだったので。

世界図がついたことで、世界観もより明確になりました。

この3巻から、神々の存在感が増してきます。神々の世界、幽宮は海の彼方(横方向の彼方)にあって、上空(縦方向)ではないという点は特徴的であり、重要なポイントであると思います。

第3巻でも一応、連作短編の形式をとっています・・・が、おそらく後宮の烏は、第1巻の時点ではここまで続く予定ではなかったのではないか・・・?

第1巻ではナンバリングもされていなかったし、1話1話の独立性は3巻に比べて明らかに高かった。帝・高峻と寿雪の交流、少しずつ心の距離が深まっていく様は連作短編という形式の中で、きれいにまとまっていたと思います。

人気が出たからか、2巻、3巻と続くにあたり、長編シリーズへとプランを変更した結果、様々な設定が付加されて話が膨らんできている、という感じです。

長編用の設定(梟をはじめとする他の神々など)はもしかしたら後付けかもしれない・・・とは言っても、今のところ破綻なくきれいに収まっている感じがするので、もしかしたら作者の頭の中では出来上がっていた世界観なのかもしれません。

2巻、3巻を通じて登場人物がどんどん増えており、書く登場人物の過去や意外なつながりなどがちらほら出てきています。

連作短編の形式は崩れていないので、一応4つのエピソードをもって第3巻もおしまいになっていますが、最後に(最初の方でも伏線がある)予想外な設定をたたきつけてきており、続きが非常に気になる終わり方になっています!

第4巻早く読みたい!

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