となりな怪物くん、という漫画をご存知でしょうか?ろびこ作のベストセラーの学園ものです。
わたしは全巻持ってます!
この漫画、菅田将暉と土屋太鳳のダブル主演で実写化されて映画になりました。
現在プライムで見ることができるので、見てみました!
原作読者からみた映画版の感想と、気になった点などつらつらとまとめてみました。
全体としては、まぁまぁよかったんじゃないかな、というところですが、突っ込みどころは結構ありました~
キャストについて(好き勝手に総評)
菅田将暉さん(吉田春)はうまい、さすが
破天荒で人間不審で寂しがり屋、しかも天才、という、異様に複雑なキャラクター、それが吉田春。
さらに、顔が良くてガタイもそれなりに高くてケンカ強い、という…
漫画ならね、キャラクターデザインで作り上げることはできるのでしょうが、演じるのはかなり難しいのでは、というこの役柄を、違和感なく演じ切った菅田将暉さんはやはり、すごい。
ハルっぽかったもの。喧嘩っ早さもアホっぽさも、捨てられた子犬みたいな頼りなさも、全部含めてハルっぽかった。
菅田将暉さんはやはり、すごい。
土屋太鳳さん(水谷雫)はまぁまぁな感じ
となりの怪物くんのもう1人の主人公でヒロイン、水谷雫。
物語の当初は、勉強にしか興味のない、友達も遊びも全てが下らない不要なものだと思っていた冷血で優秀な女子高生。
そんな水谷雫を演じたのは土屋太鳳さんです。
まぁ…総評としては、まあまあ悪くないかな、というところかと
個人的なイメージとしては、もう少し小さいというか華奢というか、ちんちくりんなイメージでしたので、映像でみたかんそうとしては、わりと存在感あるな、でした。
速水もこみちさん(みっちゃん・三沢満善)はビジュアルばっちり
バッティングセンターのちょっとコワモテのお兄さん、みっちゃん。ハルの従兄弟です。
みっちゃんを演じるのは速水もこみちさん。
このみっちゃんのビジュアルが、原作の再現度がすごい。
演技はこの際、あまり気にしない…見た目の雰囲気出てるからいい!
池田エライザさん(夏目あさ子)は雰囲気出てる
可憐で可愛すぎるがゆえに、周囲に疎まれてばかりいる女、夏目ちゃん。
すごくかわいくて、情にあつくて、頭が悪い・・・というキャラなんですが、いい感じで再現していたと思います。
とりあえず周囲に波乱を起こすほど可愛らしくなければならないという絶対条件があるのですが、漫画のキャラクターデザインともあっていたように思います。
愛すべきバカっぽさが出てる感じも良かったです。
山田裕貴さん(ヤマケン・山口賢二)は悪くない、けど・・・
大病院の息子で見た目もよく、成績もよく、超プライドが高いというセレブ感満載、だけど超絶な方向音痴の男、ヤマケン。
雫を巡って、ハルとは恋のライバル関係。
嫌な奴って感じで登場しながら、なんだかんだと憎めないという人気キャラは山口裕貴さんが演じました。
悪くない、悪くはないんだけど・・・個人的意見としては、その金髪はどうなんだ?!
金髪って・・・実は難しいですよね・・・金髪にするならもっと透明感あふれる金髪にしてほしかったんだけど・・・難しかったのかな。
ちなみに、私の原作マンガからのイメージでは、ヤマケンは金髪ではなく、色素薄い系の茶髪のイメージでした。
佐野岳さん(ササヤン・佐々原宗平)はでかすぎない?
元気な野球部員でムードメーカーのササヤン。変人ばかりの登場人物の中で、かなりの常識人に入るほう(ヤマケンも結構普通です)
私が一番物申したいのは、このササヤンの配役でした・・・
なんていうか・・・物理的に背がでかすぎない??
ササヤンは細身で小柄、童顔の少年っぽい子、というイメージが強くて、原作マンガの設定でもそうなってたと思うんですが・・・
これはない、これはないと思うんだ(涙)
古川雄輝さん(吉田優山)はやや中途半端か
ハルと確執を抱えている兄、優山。
美形で、ド天然で、甘いもの好きで・・・色々と葛藤を抱えているというキャラなんですが・・・
うーん・・・やや中途半端な印象が否めないというか。
演出の問題なのかわからないのですが、もっと一目見てオーラ全開の美形っていうキャラづくりがよかった、と思います。
映画「となりの怪物くん」について気になる点(ツッコミどころ)
いくらなんでも制服赤い、赤すぎる
なんで制服はこうなってしまったのだろう…という違和感が最後まで拭えなかった、あまりに赤すぎる制服。
コミックの表紙を確認しましたが、特に赤い制服って訳でもないような…アニメの方のHPも見に行きましたが、別に赤くない。
なんでこんな、どぎつい赤なんだ…こんな真っ赤な制服なんて、しゅららぼん(万城目学「偉大なる、しゅららぼん」岡田将生主演で映画化)くらいじゃないのか?と最後まで気になって仕方なかったです。
校舎すごい ロケ地どこ?
たまに引きで映される校舎がまぁすごいんですよね。
こんな学校あるの?ロケ地どこ?、で調べてみたら、富山県にある片山学園というところらしい。
本当に高校だったのが驚き。
とにかく綺麗な校舎です。感心してしまう。
細かいエピソードはかなり省かれてる
となりの怪物くんは全12巻+番外編なので、連載漫画としてはさほど長い訳ではないのですが、映画化にあたりこれを約2時間におさめているので…細かい部分はかなり端折られているのです。
大まかな流れは原作の通りに進んでいきはするのですが、例えば大島さんのエピソード、ササヤンと夏目ちゃんの話などはかなり薄い。
ヤマケンの妹・伊代に至っては存在すら出てきませんからね。
となりの怪物くんの魅力の一つは、主人公以外の登場人物たちの細かなエピソードにあると思うので、ざっくり削られすぎていて、全体的に奥行きが感じられなかったのが残念です。
ハルの旅立ちと帰還の流れが雑
物語の終盤、ハルの旅立ちと帰還のエピソードがあり、映画の方でも一応採用されているのですが。
なぜか…何故か妙に省略されていて、非常に不自然な旅立ちと帰還となっております。
さすがに唐突に旅立ちすぎで、これじゃあほぼ失踪だし、いきなり失踪から帰還するので違和感半端ない。
なんでこんな流れにしちゃったのか、ほんと問いただしたい。
尺の関係でエピソードを削るのは致し方ないし当然だと思う。
でもここはちゃんと書いとこう?大切なところだからさ(泣)
「となりの怪物くん」映画と原作マンガ、どっちが面白い?
人気のある漫画を実写化する、というのは、基本的にはリスクを伴うのだろうな、と思っています。
原作マンガのファンはやはり、映画化・実写化となれば気になってチェックしますし、原作のイメージが出来上がっていればいるほど、実写化作品について色々と物申したくなるものです。
この「となりの怪物くん」という作品も、本編12巻、番外編1巻とさほど長くはないのですが、非常に人気の出た漫画です。
そんな人気漫画を映画化・実写化した作品としては、結構頑張ったな、というのが私の正直な感想です。
コマかなエピソードはかなり省かれてはいますが、大まかな流れは外さないまま、最後のエンディングまでもっていっていますし、キャストもおおむね悪くない。吉田春を演じた菅田将暉さんはさすがにうまかったし・・・
映画の方も悪くなかったです。でもあえてはっきり言えばやっぱり、原作マンガのほうが面白いです!
やはり、映画版では細かなエピソードがかなり省かれてしまっているのが、この作品の魅力を削ってしまっています。
特に、映画版では大島さんの扱いがほんのちょっとですし、ヤマケンの妹・伊代が出てこない!あの、濃ゆいキャラが!
ササヤンと夏目さんのあれこれも影が薄いですし、原作漫画には及ばないなぁ、という感じです。
映画の方では終盤のハルの旅立ちと帰還がすごく変な設定ですが、原作漫画の方ではもっとちゃんと書かれています。
番外編入れても13巻と、決して長い方ではない作品ですが、メリハリのあるスピーディーな展開は読んでいて飽きず、かと言ってあっさりしすぎてもいない、非常によくまとまっている漫画です。
少女漫画で学園恋愛ものではありますが、甘すぎることなく読みやすい作品ですのでおすすめです。
それでは