米澤穂信氏原作の「古典部シリーズ」の第1作、「氷菓」が2017年、山﨑賢人さんと広瀬アリスさんのダブル主演で実写化されています。
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原作読者からみた映画版の感想と、気になった点などまとめてみました。
ネタバレ要素を含むのでご注意ください。
総評としては・・・ツッコミどころはありつつも、全体としては原作を尊重しており、よかったんじゃないかな、と思います!
主人公とヒロインの年齢に違和感
古典部シリーズの登場人物、折木奉太郎、千反田えるをはじめとした面々は高校生。
古典部シリーズ第1作である「氷菓」においてはかれらは高校入学したばかりの1年生なんですが・・・・・・
山崎賢人さん、広瀬アリスさんともに、とても高校生には見えない。すごい違和感。
山崎賢人さんも広瀬アリスさんも1994年生まれとのことなので、映画公開当時は22~23歳、さすがに高1には見えないのは致し方ないか、というところ。
千反田さんの目がでかすぎる
千反田えるの決まり文句といえば、「私、気になります!」
その言葉とともに、まっすぐな目で奉太郎を見つめては、乗り気でない奉太郎を巻き込んでいくというのはお決まりの展開で、映画「氷菓」でも忠実に再現されています、が!
広瀬アリスさんの目が、何しろでかい、でかすぎる。目力ありすぎる。
画面を見ているだけでもちょっと圧倒される大きな目に、魅了されるというか圧倒されるというか・・・
私はちょっと引き気味でした(苦笑)
前半の単調さ、暗さが気になる
映画「氷菓」を見始めてまず思ったこと・・・なんだか地味、そして雰囲気が暗い。
これは邦画ではありがちな感想だと思います。
古典部シリーズはそもそもはライトノベルとして刊行された小説で、主人公は高校生。決して暗くも重くもない展開のはずなのに、なぜにこんなに重ったるい雰囲気なのか。
最終的テーマは重く、切ない展開だとしても、重苦しいのと切ないのは違う、と思う。
司書の先生の感じはいいよね
「氷菓」は、ヒロイン千反田えるの叔父・関谷純の高校時代に何があったのか、を読み問うていく物語です。
そのさなかに、糸魚川養子(いといがわようこ)先生という図書室の司書の先生が出ています。
斉藤由貴さんが演じていますが、物静かで、どこか茫洋とした雰囲気が良かったなと思います。
後半の展開は悪くない
映画「氷菓」の前半は、進行ペースがゆっくりで、山場もいまいちなく、ぼんやりと進んでいる印象がいまいちでしたが、謎解きが進んでいく後半の展開はちょっと雰囲気が変わってきます。
前半に退屈さを感じてしまった視聴者も、後半になると物語の謎解き、関谷純の過去など、興味深く見ることができるのでは?と思います。
前半後半であえてギャップをつけたのが演出上のものなのかもしれませんが、前半からもう少し飛ばして、後半ももう少し盛り上げていけばもっと面白かったんじゃないかなぁ、と原作読者としては思います。
関谷純は生きているのか?
ヒロイン千反田えるの叔父で、今回の事件のキーマン関谷純。
彼は今どうしているのか、という点が、映画版ではちょっとわかりにくいように思いました。
実は原作においても、関谷純の失踪後については明記はされていないので、生きているのか、死んでしまったのかははっきりしません(法律上の死亡とは別の話です)
映画版では、終盤の奉太郎のセリフにより、関谷純の生死については更にわかりにくくなっています。
これは私見にはなりますが、私は、奉太郎のセリフには特別な意味はないのだろう、と思います。
映画「氷菓」は、細かい設定の付け加えはあるにせよ。基本的には原作にほぼ忠実に作られています。そのため、原作が残した以上の解釈を、特別に付け加えることはないだろうと思うのです。
奉太郎のセリフは、何か根拠のある言葉ではなく、単純に千反田えるを気遣った優しさからくるものではないかな、と思います。
原作にはほぼ忠実
上でも書きましたが、映画「氷菓」は、かなり原作に忠実に制作されています。
原作のある作品が映像化する場合、ストーリーの改変はありがちなのですが、氷菓に至っては重要な変更はほぼないといえます。
とはいっても、まったく同じなわけではなく、多少の変更というか、設定の付け加えがあります。
これは物語をより分かりやすくするためのようで、原作読者としても特に違和感なく、受け入れることができる変更点です。
「氷菓」は映画と原作、どっちが面白い?
映画「氷菓」は、ちょっと盛り上がりに欠ける感じもしますが、まぁまぁ悪くなかったかなという感じです。
小説と比べてどちらが面白かったかというと・・・原作読者からすると、まぁ原作のほうがちょっといいかな、というところです。
「氷菓」のメディア化は、実は映画が初めてではありません。
2012年に京都アニメーションでアニメされており、こちらがかなりの人気作となっています。
古典部シリーズ好きとしては映画もいいですが、アニメ版ももちろん押さえておきたいところです。
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※本ページの情報は2020年6月のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
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